あだちの再生工房

古い機械類を修理再生する趣味の部屋です。

       発信元: 安達正晴  三重県三重郡朝日町縄生

Junghans Electro Gong のモーター修理

この置時計は親戚の所有。
永らく止まったままとのことで修理をトライした。
単一電池で間欠的にモーターでゼンマイを駆動するもので
基本的にはゼンマイ式の古い機械式と同じである。

分解してみるとモーターのブラシが腐食でボロボロ、コミュテータも
かなり腐食しており、本来ならモータ本体を交換すべき状態だが
入手は困難と思われるのでブラシだけでも試作し、再生できないかトライした。
(2012年4月 Restore完了)

 front view of Junghans Electro Gong
 JUNGHANS electro-gong のロゴがある。
 定時毎に時刻数だけチャイムが鳴り、30分
 毎には2回チャイムが鳴る。
 Kienzle Westminsterに比べてかなり小さい
 音で上品な音色。
    
 rear view of Junghans Electro Gong
次の打刻あり
GEBR. JUNGHANS GMBH
SIX(6) JEWELS
MADE IN GERMANY
W.701.05
02 
 corroded battery box
 永らく電池を入れっぱなしにしていたため
 液漏れのためターミナルは腐食している。
 movement of Junghans Electro Gong
 ケースから取り外した本体。
 モーターのケース、ウォームギャも若干腐食。
 corroded wire of motor
 モーターブラシのリード線が腐食で断線。
   
 corroded brush of DC motor
 一方のブラシがかなり腐食しておりボロボロの
 状態。
 corroded brush
 ブラシを外そうとしたらボロボロに砕けた。
     
 severe wear of contact point
 他方のブラシは形を保っているが、かなり
 摩耗しており、穴が明いている状態。
 severe wear of brush
 裏から見ると穴が明いているのがよくわかる。
  
    
 dimension of two brush
 ブラシを作るために寸法どりをした。
 一方のブラシが約1.5mm長いのは
 スイッチバーを受けるため。
 corroded commutator of dc motor
 コミュテータもかなり腐食を受け隙間が
 大きくなってしまっている。
 another phase of commutator
 3か所の隙間のうち1つは良い状態を保って
 いる(少し段付き摩耗しているが)。
 newly hand made brush
 先ず短い方のブラシをリン青銅板(0.1t)で試作
 した。 簡単のため1枚ものとした。
 コミュテータとの接点はハンダを盛った。
 new two brushes
 同じように長い方のブラシも試作した。
  
     
 assembled brush
 ブラシを組み込んだ状態(表面側)。
 assembled brush
 ブラシを組み込んだ状態(内側)。
 new brushes (final version)
 先の試作ブラシでモーターが回ることが
 確認できたので、本番用のブラシを作ることと
 した。



 reinforced brushes
 オリジナル品と同じようにブラシにはスリットを
 入れ、コミュテータとの接触が4点当たりになる
 ようにした。 
 さらに、銅線(計4本)をはんだ付けし、荒れた
 コミュテータで削られても暫くは使えるように
 補強した。
 reinforced brushes and commutator
 組み込んだブラシ。
 表面に半田付けした銅線4本が見える。
 on-off switch of motor
 最後に長い方のブラシをON-OFFするレバー
 を組み込む。
 assembled dc motor
 すべて組み込んだモーター外観。
 
  
 repaired motor working well (movie)
 モーターが間欠運転することが確認できた。
 画像をクリックすれば動画が見られます。
    (音声はラジオの音で時計と無関係です)

  追記
   コミュテータも作り直すことも可能であろうが、結構大変な作業になる。
   それよりは間欠スイッチをモーターの外に置き、マブチモータなどに置換するほうが
   簡単かもしれない。

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更新: 2012/10/30
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